私人逮捕。。。
日に日に寒さが身に染みる朝です。。。
私人逮捕について!
昨今、私人逮捕を動画配信しているユーチューバーが逮捕されました。
逮捕要件は動画撮影の為、覚醒剤所持を教唆した疑いです。
私人逮捕とは。。。
1 犯人が現行犯人、準現行犯人である。
2 犯人の住所・氏名が不明であり犯人が逃走する恐れがある。
3 30万円以下の罰金・過料・拘留の罪に該当する場合(過失傷害・侮辱罪)
上1は、現行犯・準現行犯などの緊急性が高い場合は私人による逮捕は認められます。
上2は、現行犯であっても知人や住所・氏名が判明している場合は逮捕出来ません。
上3は、軽度の犯罪で犯人の住所・氏名が不明・犯人が逃走する恐れがある場合のみ。
ユーチューブにて私人逮捕動画がアップされています。
正に社会正義の実現として行われている一環の行動ですが、あくまでも緊急性がある場合にしか
認められません。
何故なら、警察が通常逮捕する際に裁判所から逮捕令状を請求・交付されてから逮捕します。
逮捕は人権に関わる重要事項なので裁判所の判断が必要となります。
逸脱した私人逮捕はどうなるか?
1 私人逮捕後に直ちに警察官を引き渡します。正当な理由無くして引き渡しをいないと逮捕監禁罪
に問われる可能性があります。
2 私人逮捕で他人に手錠をかける事は逮捕罪となります。
3 行き過ぎた取り押さえによる私人逮捕は暴行罪・若しくは傷害罪となります。
4 誤認逮捕の場合、誤認逮捕された人は身に覚えのない罪により身体拘束その他不利益を
受けます。最悪の場合、仕事を退職・家族への嫌がらせ等の社会的制裁を受けます。
民事上の不法行為として提訴の上、損害賠償請求されます。
私人逮捕は緊急性があり犯人の住所・氏名が不明で逃走の恐れがある場合に限定されます。
私人逮捕系ユーチューバーは社会正義を動画でアピールしていますが、本来の目的は動画視聴数・
イイネの獲得と承認欲求を満たす事です。
刑事訴訟法213条に『現行犯人は何人でも逮捕状無くしてこれを逮捕することができる』、つまり
私人逮捕を規定しています。
これを免罪符として私人逮捕を動画材料にするのは犯罪と言わざるを得ません。
特に今回の私人逮捕系ユーチューバーのように動画撮影の為、覚醒剤所持を教唆する事は犯罪の
捏造になります。
当事務所としては相談者の思い・状況を熟慮の上、サポートしていく所存であります。